簡易身体能力バッテリー(SPPB)の3つのサブテストの実施手順と採点基準を解説します。 検査は通常、静的バランス → 歩行速度 → 椅子立ち上がりの順に実施します。 手動では約10〜15分、AndanteFit使用時は3分以内に完了します。 SPPBはもともとGuralnikらによって開発され、加齢に関する疫学・臨床研究において広く用いられてきました。現在では臨床現場および研究において、下肢機能の標準化された評価指標として一般的に使用されています。
3段階の立位姿勢におけるバランス保持能力を評価します。体力消耗が最も少ないため最初に実施し、後続検査で要注意の対象者を把握します。
バランスを崩した時点、または検査者が終了した時点で計測を終了します。
| 0点 | 通常姿勢10秒保持不可 |
| 1点 | 通常姿勢≥10秒;半タンデム<10秒 |
| 2点 | 半タンデム≥10秒;タンデム<3秒 |
| 3点 | タンデム姿勢 3〜9.99秒 |
| 4点 | タンデム姿勢 ≥10秒 |
歩行速度は死亡・認知機能低下・入院・機能障害など、様々な健康アウトカムを予測する強力な単一指標です。4m歩行がSPPBの標準距離ですが、一部のプロトコルでは6m変法が使用されます。
歩行不可または身体的補助が必要な場合は0点とします。
| 0点 | 完了不可 |
| 1点 | ≥8.70秒(<0.46 m/s) |
| 2点 | 6.21〜8.70秒(0.46〜0.64 m/s) |
| 3点 | 4.82〜6.20秒(0.64〜0.83 m/s) |
| 4点 | <4.82秒(>0.83 m/s) |
5回椅子立ち上がり検査は下肢筋力・筋パワー・機能的神経筋制御能力を評価します。体力消耗が最も大きいため、最後に実施します。
| 0点 | 完了不可;腕の使用;>60秒 |
| 1点 | ≥16.70秒 |
| 2点 | 13.70〜16.69秒 |
| 3点 | 11.20〜13.69秒 |
| 4点 | <11.20秒 |
3つのサブテストのスコア(各0〜4点)を合計し、0〜12点の総スコアを算出します。
| 総スコア | 機能レベル | 臨床的解釈 |
|---|---|---|
| 0 – 6 | 重度の機能低下 | リスクが高い群。予防・リハビリ介入の優先対象。 |
| 7 – 9 | 中等度の機能低下 | 中間リスク群。運動介入の効果が最も大きく現れる。 |
| 10 – 12 | 正常〜良好 | リスクが低い群。初期機能低下の検出のため縦断モニタリングに活用。 |
スコアが1点以上変化した場合、臨床的に意味のある変化とみなせます。総スコアとともにサブテスト別のスコアプロファイルを解釈することで、個別化された介入計画の立案に役立ちます。
手動によるSPPB検査には、ストップウォッチ、床面の距離マーキング、そして検査者・検査セッション間での一貫した手技が必要です。実際には、手動計測や指示内容の違いにより検査者間変動性(inter-rater variability)が生じることがあり、大規模スクリーニングや多施設研究では特に顕著です。
AndanteFitはLiDARベースの歩行速度測定、動作追跡による立ち上がり計時、精密センサープラットフォームのバランス時間測定により、手動SPPB検査を自動化します。 3つのサブテストが3分以内に完了し、毎回の検査に専門スタッフは不要です。